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2010年09月

ソフィーの件で長く引っ張ってしまったが、それほどまでに印象深かったという事でお許し頂きたい。

ソフィーとの思い出に心を引かれたまま、O氏は俺をまたワンチャイへと連れて行ってくれた。
ソフィーとのことを知っているからか、俺を励まそうとしてくれているのが、会話の端々から伝わってくる。遠い異国の地にいて日本人的な優しさに触れあえた事で、俺は徐々に気持ちを切り替えられていった。
O氏と連日のようにワンチャイへ繰り出していた時を思い返すと、楽しい時間であったことは言うまでもなく、今の俺の人格を形成するのにとても重要な役割を担っていたことに気付く事が出来る。

ワンチャイは、一言で言うと「人間交流の場」だ。
全く知らない者同士が酒を片手に出合い、人と人とがお互いを理解していく過程を毎回楽しむことが出来る。
それでいて、お互いの目的が食い違いながらもお互いを探り合う行為を続けなければならない、合コンのような不毛な時間を過ごすこともない。

なぜなら、お互いの目的ははっきりしているからだ。

そこに集まる男たちの目的は、もちろん「ずっぽし」である。
そして、女たちもまた「ずっぽし」を通して金銭を得る事が目的である。

ここに「ずっぽし」という共通項が存在している事で、お互いの会話はよりスムーズになる。ありきたりの質問に加えて、お互いが目的を達成するために積極的に会話を進めるからだ。

こうした活動を行う男女の事を、倫理観から色々言う事は全く構わないと思う。
人それぞれに価値観があり、またそれらを必要としている人たちがいて、人生の中でそのような道に望んで進む者も想像している以上に多い。
もちろん、このような「セックス・トラフィック」に関わる人たちの中でも、本人が望まずに強制的に従事させられるような事はあってはならない。
そこが守るべき一線ではないだろうか。

俺もスパンスパン王子として「セックス・トラフィック」に関わっていく過程で、様々な人々を見、話を聞いてきた。
概ね、その状況は女性側の方がやや複雑ではあるが、当の本人達は肉体労働であると認識しているに過ぎない。
多くの顧客と体を重ねていても、愛は別のところにあると、彼女たちは言う。

そして、その彼女たちは常に愛に飢えている。

ソフィーと会えない事で落ち込んでいた俺は、さらに自虐的なペナルティーを課せられることとなったが、それは俺が会社に到着する前から始まっていた。

というのも、俺がソフィーとずっぽししたその隣の部屋では、友人でもあり会社の同僚でもあるピンク師匠が寝ていた。
俺はもちろんそれを知っていたが、激しく酔っ払っていた事と、ソフィーを連れ添ってテンションがピークに達していた事で、よもや隣の部屋まで俺のスパンスパン音が響き渡る事はないだろうとタカをくくっていた。

しかし、結果はこうだ。
俺が遅刻して会社に到着するまでの間で、俺の悪行は白日の下に晒され、みんながそれを共有していた。

「隣の部屋からスパンスパンと音が聞こえて、寝れなかったんですよ。」

こう話していたのはピンク師匠だった。
そして、この手の話を聞き逃さないのが俺のボス、香港の神様だ。

当然、このエピソードは今でも時折ネタにされる事がある。
今となってはただの笑い話ではあるが、その時のピンク師匠の苦痛は計り知れないものだったのだろう。

しかも、その時の俺は激しく自己中心型の発言をして、恥の上塗りをしてしまった。
夜中に騒ぎたてて迷惑をかけてしまったピンク師匠に対して、「なんで朝起こしてくれなかったんですか?」と逆ギレをしてしまったのだ。
夜中に遊びまわっていた事で遅刻したのだから、全ては自己責任だ。
さらにそれで他人に迷惑をかけてしまっていたのだから始末に負えない状態だったのだが、恥ずかしさと遅刻の言い訳をするためだったのだろうか、とにかく情けない。


ピンク師匠、本当にすいませんでした。

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