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2011年04月

バンコクの繁華街をリサーチしながら歩き回った俺は、その辺りにどのような店があるかを大まかに把握した。そこから自分の宿泊しているホテルまでの距離感と方角、そしてどこに行けばタクシーを拾いやすいかなどを確認し、そのエリアの中で良さげなレストランのいくつかに当たりを付けて、アンが仕事を終える時間に合わせたアラームが鳴る時を待った。

この待ち時間を楽しみに待つ事が出来るのは幸せだ。
世の中には待つ事がとことんまで嫌いな人もいるが、考え方によっては待ち時間を楽しむ事が出来る。
話が横道に逸れるが、こんなエピソードがある。

「インド人は時間を守らない」

インド出張中に取引先のインド人と会う約束をした日本人のAさんが約束の時間どおりに待ち合わせ場所に行き、インド人の到着を待っていた。
しかし、インド人は時間を過ぎてもなかなかやって来ない。インド人とはそういうものだと聞かされていたAさんもさすがにイライラしている。
やがて、30分ほど遅れてインド人がやってきたが、涼しい顔をして謝る気配もなかった。
待たされてイライラしていたAさんは、謝罪の一言があってもいいのではないか?と問いかけたところ、「どうしてそんなに怒っているんだ?あなたは私が遅れて来るまでの間、私と会う事を楽しみに出来たはずだ。それを楽しまなかったのか?」という返事がさわやかな笑顔と共に返って来た。

その言葉を聞いた時の開いた口が塞がらないAさんの顔は容易に想像がつくだろう。
このインド人の考え方は「はい、そうですね」と簡単に受け入れる事は難しいかもしれない。
しかし、考え方一つで辛い事も楽しむ事が出来る、そうして楽しんでいる人達がいるという事は受け入れなければいけない。それはすなわち文化の違いだからだ。
もちろん、日本で同じようにそのような事を言うのであれば、インド人の言い訳と受け止められ、信用を失う原因となるだろう。

「郷に入りては郷に従え」

アウェイではアウェイの文化があり、ルールがある。
それに従わずに我を通そうとするならば、どこかで衝突が起きるだろう。
相手の文化、ルール(慣習)に敬意を払いつつ、自分のアイデンティティを保つ事が出来れば、海外でのコミュニケーションもうまくいくはずだ。

そして、それが海外でスパンを行う為の第一歩でもある。

アラームが鳴るまでの間、俺は地の利を得る為に一緒に食事が出来るような場所を探すために街を放浪する事にした。

女性と合流した後に「何食べたい?どこに行きたい?」と聞いてしまうようでは、最初からスパンを諦めていると言っても過言ではない。食べたいものはその日の気分によるだろうから、それこそ突拍子もないような料理の名前を挙げられても対応出来るような記憶力と検索力を持ち合わせていなければ対応出来ないだろう。頭の中にぐるなびを格納しておく事は、まず不可能だ。
次に、女性に行き先を選ばせてしまっては、その時点で地の利を得る事を放棄している。食事の後に雰囲気の良いバーに行き、その流れでラブホになんてパターンは、まず不可能だろう。そもそもラブホがある場所かどうかすら分からないのだから。それほど「地」は重要である。

では、どのように誘えば良いのか。
全ての場合においての正解ではないが、「今日は○○(場所)に○○料理でおいしいお店があって、そこに行こうと思うんだけど、いいかな?」という聞き方であれば、女性の同意を得た上で自分の地の利を生かせる場所へと誘えるだろう。
もちろん、「天」を考慮して自分の地の利が生かせる場所を数カ所用意しておくのは言うまでもない。

すなわち、普段からこれらの事を考慮して自分のエリアを広げる事が重要なのだ。
「道」の教えに従い、新しいエリアを開拓して歩く事もスパンの為には必要だ。

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