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2012年07月



波波がマカオにいられない理由がその時点で分かるはずもなく、俺は狼狽した。
俺と波波との間に流れていた静かで激しい時間が、このSMSによって終わりとなってしまう事を感じ取るのは簡単だったからだ。

波波の豊満な胸、波波の巧みな技、波波が果てる瞬間の声にならない声など、これ以上波波をそばに感じる事が出来ないと思うと、途端に寂しくなった。


俺は波波に「なぜ?いつ帰るの?」と問いかける。


波波からはすぐに返事が返ってきた。

「マカオにいちゃいけないの。中国に帰らないといけなくなったから、すぐに帰る。明後日。」

このやりとりは英語で行われている。
波波はほんの少しだけ英語が話せたので、俺ともこうしてコミュニケーションが取れていた。
その後もSMSをやり取りし、中国は深圳に帰るという事が分かり、そこなら会いに行けると踏んだ俺は、中国に帰っても会いに行くことを告げて、俺と波波は今後も連絡を取り合う事を約束した。

そうして、あっという間に波波はマカオからいなくなった。






2012年累計スパン: 164 (2012/7/25)
3年連続200スパン達成まで、あと36スパン


頑張れ、イチロー!



そうして、俺と波波の激しくも満たされた時間は、あっという間に過ぎ去った。

波波は俺に背中を向けたまま、ぐったりした様子で「疲れた」と一言つぶやいた。
「何回もイクと疲れる」と、彼女は拗ねたように口をとがらせながらかわいく文句を言ってくる様子は、彼女なりのせめてもの抵抗だったのだろう。

俺はそんな様子を愛おしく思い、波波の背中越しに彼女の細い肩を抱きしめる。
波波はそんな俺に驚いたように小さく「あっ」と声をあげると、静かに目を閉じて俺の腕をしっかりと握り返してきた。

こうしたわずかな心の交流は、どんな素敵な言葉よりも深く、そして急速に二人の距離を縮める。
世間では女性の方がロマンチストと言われる事も多いが、男性もロマンチストであるべきであり、二人の時間をより愛情あふれる時間であるという演出をする事は決して忘れてはいけないプロセスなのだ。

スパン道においては、これは「後戯」に分類されるが、言葉が通じない相手であっても男女はお互いを感じる事が出来るという例の一つとして参考にして頂きたい。
いや、むしろ、言葉が通じないからこそ必要なプロセスなのかもしれない。



俺と波波は、こんな風に一緒に過ごす時間を徐々に増やしていった。
そして、ある日、彼女から一通のSMSが送られてきた。

「もうマカオにいれない。中国に帰ります」


波波との楽しい時間が、一気に過去の思い出に変わっていくのを感じた。





2012年累計スパン: 157 (2012/7/19)
200スパンまで、あと43スパン



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