波波が指定した場所は、住宅地のど真ん中にあるサウナだった。
サウナと言っても、読者の皆さんが想像してしまったそれとは違う、いわゆる健康ランド的なものだ。
俺は「本当にここでいいの?」という不安でいっぱいになりながらも、おとなしくそのサウナの前で波波の到着を待った。
波波はどこからともなく徒歩で現れ、小さく俺に手を振って合図をした。

久しぶりに見る波波、ちょっと痩せたかも知れないな。

なんて感傷に耽っていると、大きな声で俺を呼びつけ「さっさと中に入るよ!」とサウナを指差した。

訳が分からないままに波波と二人でサウナに入室し、俺は何かの料金として数百元を支払った。おそらく3百元以下だったはずだ。


中国には健康ランドのようなサウナが無数に存在し、そこには男女問わず足繁く通う住民たちによって社交場兼憩いの場となっている。
中に入るとレストランがあって食事を供される空間が存在している為、朝からそこに集まり半日以上もテレビを見たり雑誌を読んだりして時間を無駄に過ごしている人民たちが無数にいる。
代表的な設備としては麻雀だ。
小部屋がたくさんあり、中には全自動式の麻雀台が用意されている。
ここで人民たちは朝から晩まで中国式のでかい麻雀パイをジャラジャラとかき混ぜながら、賭け事に勤しんでいる。

一見すると平和なこのサウナ、その実態はラブホテルでもある。
2階以上の上層階にはベッドが用意された部屋があり、表向きそこは「仮眠室」とされている。
システム上は「仮眠室を借り、そこにマッサージ師を呼んでゆっくりとマッサージを受ける事が出来る」という事だか、仮眠室を利用するために100元程度の料金を払った人々は、夫婦で入室して大人の時間を過ごす。

そう、俺と波波もここでこれから「大人の時間」を過ごすのだ。






2012年累計スパン: 214 (2012/10/10)
3年連続200スパン達成!!