前回の裏筋(あらすじ)

なかなかに気の利くデリヘル店の店長の段取りに従って部屋で待つ俺。
シャワーも浴びて、準備万端ドキがムネムネしながら、ひたすら電話が鳴るのを待っていた。



プルルルルルル!!!!


静かなホテルの室内に電話が鳴り響く。
俺は慌てて受話器を取るも、ここで声が裏返ったりすると相当に恥ずかしいだろうと思い、一呼吸置いて冷静を装った声で電話に答えた。

電話はフロントからだった。


フロント「こちら、フロントですが、スパンスパン王子様宛に電話が入っております。お繋ぎしてもよろしいでしょうか?」

俺「はい、お願いします。」

当たり前だが、ホテルスタッフは俺の事スパンスパン王子様などと呼ばないが、そこは便宜上許して欲しい。

こうしてデリヘルの送迎スタッフが電話に出た。


デリヘル「今、女の子がホテルに着きました。入り口までお迎えをお願いします。」

俺「はい、分かりました。」


と、無難なやりとりをするも、俺の鼓動は高鳴る一方だ。
香港や中国などで多少危険な目に遭っても慌てる事も無い俺にとっては、こういうドキドキは久しぶりでテンションが最高潮に達して鼻血が出そうだ。

ゆっくりと呼吸を整え、俺はホテル入り口まで向かった。


すると、偶然にも同じく女の子を迎えに来た後輩の亀頭くんに出くわした。
亀頭くんが連れている女の子は背が低めで、かなりかわいい印象だ。
素直に羨ましいと思いつつも、俺の全神経はこれから出会う女の子に向けて集中する。

入り口まで降りて辺りを見回すと、ホテル脇に駐車していた黒いワンボックスカーの扉が開き、女の子が降りてきた。


心の声「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」


思わず口から出そうになる心の声を必死に抑え込み、俺は女の子が近づいてくるのをじっと我慢した。
イケメンなのに慢心してすぐにホテルに誘ってしまうフィルム氏のような軽率なそぶりを見せると警戒されてしまうだろうと考えての事だ。


心の声「か、かわいいじゃん。」


断っておくが、俺は関西人なので色々考える時には関西弁がベースになる。
しかし、あまりの出来事に心の中で「じゃん」などと使ってしまったほどに、普通にかわいい女の子だった。

俺は軽く会釈をしてから女の子に声をかける。
女の子も「この人がお客さんだ」という事を理解して、会釈を返す。

ここに何とも言えない微妙な男女の即席カップルが誕生した。
即席カップルらしく、当たり障りのない会話をしながらエレベーターに乗り、俺は彼女と一緒に部屋へ戻った。

部屋に入った俺は、改めて彼女と目が合った時の恥ずかしさを誤魔化す為に、そっと抱きしめると、彼女は少し驚きつつも応えるように、俺の背中に腕をまわした。


ここから、即席カップルの激しいスパンが始まる。




続く



2013年累計スパン結果: 202スパン (2013/11/5)