O氏に相談を持ちかけた俺を見て、O氏はなぜだかとっても優しい笑みを浮かべた。
男が男に投げかける笑みとしては、気持ち悪い部類に入るレベルである。
しかし、その次の瞬間に俺はO氏の笑みの意味を悟った。
俺の顔がソフィと共に店を出たいと言っていたのだ。

目は口ほどにものを言う。

その瞬間の俺の目は、相当必至だったのだろう。
O氏は多くを語らず、静かにうなずいた。

「行ってこい」

O氏の目はそう言っていた。
本当のところは違ったのかも知れないが、
人間というものは、得てして自分に都合のいい生き物である。
自分に都合の良いように解釈し、自分の考えを肯定しながら生きている。

この時の俺は抑えられない衝動に支配され、全てが自分に都合の良い解釈をするようになっていた。

こうして、俺はソフィと共に店を後にした。