初めてのタイ旅行-後半編その29
俺はその言葉に衝撃を受けた。タイという国にきれいな川があるようなイメージを、俺が持ち合わせていなかったからだ。
つまり、俺の中では「なんかすごい汚いものを食べさせられた」という感覚だった。
しかし、食べてしまったものはしょうがない。
覚悟を決めて、今度は自ら敢えて「チリの草巻き」にチャレンジした。
俺のその姿を見て、二人も同じようにしてチリを川で採って来たというその草で巻き、口の中に放り込んだ。
残念な事に、辛さに勝てずにのたうち回ったのは俺だけだった。
彼女達は平気な顔をして、その後もむしゃむしゃとまるでキュウリのぬか漬けを食べるかのように食べ続けている。
ここで俺はタイ人の辛さへの耐性がずば抜けて高い事を学んだ。
これは今でも俺がタイ人と共に過ごす際に教訓として生かされている。
彼女達は、辛いチリを食べて、唐揚げを食らう。
口が油っぽくなったと感じたらソムタムを食べる。
そんなローテーションだった。
俺もチリの量を減らし、そのローテーションに加わった。