微笑みの国タイでうまいタイ飯を食いながらのスパン三昧 - その1
旧正月を迎えようとする香港で、俺は旧正月をどのように過ごすかについて考える事を拒否していたかのように何も考えていなかった。
旧正月は、香港で働いている人間にとっては年に数回しかないロングバケーションに出かける事が出来る数少ないチャンスなのだが、チャイニーズニューイヤーの名前の通り、中国に行くと民族大移動が発生しているために交通機関は麻痺し、その人の多さを目の当たりにした瞬間に「俺は休みを使って、こんなに人ごみに何をしに来たのだろう」という生産性の無い自問を繰り返す事になるのは自明の理であった。
そんな俺が考えたプランは、「香港で旧正月の気分を味わう」、「台湾で台湾式の旧正月をフリースパン嬢と共に味わう」、「日本に帰って、未だ訪れた事の無い出雲大社を詣でる」、「微笑みの国タイでうまいタイ飯を食いながらのスパン三昧」といったところだ。
エロプランばかりではないという事をアピールしたいという訳ではないのだが、これまで繰り返してきた「長期休暇 = スパン旅行」という構図も普通の旅行プランがあってこそ光るものだと思い、プランニングを行った。
もちろん、一番コストがかからないのは「香港で旧正月の気分を味わう」だが、土日も含めて5日間もある休暇をただ何もせずに狭い香港でじっとしているのは、どこをどう考えたって俺の性格上不適合なプランだと判断し、真っ先に却下した。
次に、「台湾で台湾式の旧正月をフリースパン嬢と共に味わう」だが、これはコストが抑えられ、かつ新しい発見が多くあると見込まれる、かなり素晴らしいプランだ。もちろん、労せずともスパン三昧は確定している為、休暇が近づくと俺の中で自己主張を始める虎も納得のプランだ。
しかし、2012年の元旦を台湾で過ごしたばかりの俺にとっては、「また台湾か」という気持ちをぬぐい去る事が出来なかったため、今回はこれも見送った。
三番目にプランニングした「日本に帰って、未だ訪れた事の無い出雲大社を詣でる」は、俺が必ず実現させようと考えているプランなので、フライトルートや近隣のホテルのピックアップなどはすでに済ませてある。
言うなれば自分で「出雲大社詣ツアー」を主催し、それに沿って行動するだけでいいという状態が出来上がっていて、あとは実行に移すだけという段階だが、今回もこれを見送る事にした。
出雲大社は平成18年から始まった『平成の大遷宮』のため、本来の御本殿を詣でる事も叶わない状態が続いており、俺は大和八百万の神々が本来の御本殿にお戻りになられるまで、今も待ち続けている。
となると、プランは残り一つとなる。
「微笑みの国タイでうまいタイ飯を食いながらのスパン三昧」だ。
これを選択した理由については、読者の皆様には説明する必要は無い程に明白なプランだが、今回は19日金曜日の夜の便でタイに向かい、旧正月が終わる25日水曜日の夜に香港に戻るという「5泊6日」のスパン旅行になるが、今回盛り込んだのは「定番のエロマッサージやMPなどは敢えて外し、これまで試した事の無いお店の新規開拓を積極的に行う事」だ。
こうして、俺の旧正月の過ごし方が決まった。
すぐさま見慣れたタイ航空のウェブサイトを開き、フライトチケットの手配を行い、そのままの流れでホテルの予約を行った。
俺の旅行の準備は、いつもこれだけだ。
続く
2012年累計スパン: 19 (2012/1/23)