微笑みの国タイでうまいタイ飯を食いながらのスパン三昧 - その23
「さぁ、どうする?」
と、奴は俺に向かって悪戯っぽいはにかみを見せながら言い放つ。
これが本物の女性からの一言であれば、俺は理性をかなぐり捨てて虎へと変身する事だろう。
しかし、
奴は女性ではない。
俺は吹っ飛びそうな何かを必死に保ちつつ、奴との会話に細心の注意を払った。
「俺は飲み過ぎて疲れたから寝かせてもらうよ。」
奴の表情が変化する。
驚いた表情と落胆した表情を交互に見せる奴の心理状態は相当複雑なものへと変化している事だろう。
そこに俺は追い打ちをかける。
「ここにいてもいいけど、俺はその気はないからよろしくね。」
「その気がない」とは、あなたとは行為に及ぶつもりがないという事を示している。
無理に追い返す事はしないけど、ここにいても何も起きないよという事だ。
ここで奴の目的が何かを試す事が出来る。
金か、スパンか。
いずれにしろ、俺は何かしらの代償を覚悟しなければならない状況だが、奴は何かを悟ったらしい。
俺が知らずに奴を連れ帰り、トラブルとなった場合には罵られながら追い返される事も起こりえた状況において、俺はそれをする事は無く、男としての奴の存在を許し、かつ自らのミスを認めて代償を覚悟しているというところまでをおそらく理解していた。
どうやら、俺は奴との心理戦に勝利したようだ。
奴は自分の性欲を抑え、俺が暗に提示したディールに応じたのだ。
こうして俺は奴に支払うべき代償を支払い、極めて静かに奴との肉体的接触を避ける事に成功した。
2012年累計スパン: 65 (2012/3/27)
200スパンまで、あと135スパン